セオドライトとは?種類や検出方式の違いを解説

セオドライトなどに代表される特定測量機器は、用途や必要とする精度に応じて使い分けられるよう多くの種類が設けられています。

適切な測量データ獲得に必要となる測定機器の見極めには、それぞれの機器に対する理解が重要です。

今回は、複数ある測量機器の1つであるセオドライトについて紹介していきます。

セオドライトとは?種類や検出方式の違いを解説

セオドライトの4つの種類とは

セオドライトは基準からの水平角度と鉛直角度を測定する測量機器です。
建築・土木分野において高さや角度を測定しつつ、水平・平行を出したり勾配を設定したり鉛直方向の倒れの測定などの幅広い分野で活用されます。

セオドライトは4つの種類があり、以下で概要などを紹介していきます。

1.電子(デジタル)式

電子(デジタル)式セオドライトは、角度を電子的に測定しデジタル表示します。
ほかの種類と比べ、角度の読み取り速度と正確性の高さが特徴です。
また、目視による読み取り誤差の防止もできます。

測定値の読み取りの早さ・読み取り誤差の少なさから採用頻度が高く、最も主流な機種とされています。
主な使用用途・機会は地形測定や勾配測定です。

機種によってはレーザーポイントを照射できるものもあり、単独で水平位置や中心位置を示す基準線をかき出す墨出し作業を単独で実施できます。

2.光学式

分度版の角度情報などを高額的に拡大し読み取るなどの、特殊なデジタルマイクロメーター機構を内蔵している点が特徴です。
レンズを除くだけで測角地の数値が瞬時に読み取れ、すべてデジタル表示されるため、誤読の心配がなく、ビジネスの効率を向上させます。
そのため、使い手による差が生じないため誰でも気軽に使用できます。

電子(デジタル式)と違いバッテリーを使用しないため、電池切れを心配する必要がありません。
主な使用用途・機会は、一般土木や地形測量などです。

3.レーザー式

レーザー式は、電子(デジタル)式に半導体レーザーダイオードを組み込んだものです。
照射される可視光レーザーにより、方向性の基準線が作りだせます。
レーザー光は、望遠鏡を目標に焦点を合わせてレーザービームのスポット径の調整が可能です。
レーザーの種類や太さは取り扱う機器で差が生じるため、機器の理解や適切な使い分けが重要なポイントといえるでしょう。
主な使用用途・機会は、地下工事やトンネルの掘り出し位置の特定、シールドマシン使用時の方向制御用です。

4.精密

精密セオドライトは、4種類の中で最も高い測角精度があります。
大型精密機器の据え付けや、工業計測の場での使用が主な使用用途・機会となるため、ほかの3種類と比較すると使用機会は多くありません。

そのため、取り扱っている業者も少ないでしょう。

セオドライトとは角度を測る測量機器

セオドライトは、測量の現場で精密な角度の測定を目的として使用される測量機器です。
そのため、測量の現場では非常に重要な役割を果たしています。

建築・建造の現場ではさまざまな要素を測量する必要があります。
測量の要素の1つである角度を測るセオドライトは、あらゆる場面で活躍を期待される非常に重要な機器の1つです。

測量の現場では、数メートルから数キロメートルの長さを取り扱うため、少し角度がズレるだけでも結果的に大きな誤差につながります。
このような事態を防ぐ意味でもセオドライトの果たす役割は大きく、適切に使用するための知識も重要です。

セオドライト2つの注意点

セオドライトは角度の測量に使用する測量機器です。
セオドライトの機能を十分に活用するためには、2つのポイントの理解が重要です。

1.レンズで視える距離の把握

セオドライトでの測量には、整準と視準調整と呼ばれる据え付けの手間を要する制度確保作業が必要です。
さらに、正観測と反観測を1回ずつ実施し平均値を取り、誤差を減らす方法が合わせて用いられます。

大まかにでもレンズから視える距離を把握しておけば、据え付けの回数が削減可能です。
1つずつの作業の精度を高めることで、より誤差の少ない測量結果が得られます。
正確な測量結果を得るためにも、セオドライトのレンズで視える距離はきちんと把握しておきましょう。

2.据え付ける場所の選定

セオドライトは、精密な角度の測定が可能な測量機器です。
そのため、使用・据え付けの際は傾いた場所やでこぼこした場所は避け、平らな場所で使用しましょう。

セオドライトを据え付ける地面が傾いていたり、でこぼこしていたりするとセオドライトは水平を保てず正確な角度が測量できません。
正確な結果を得るためにも事前に測量場所を調べ、適切な測量結果が得られるよう準備をしておきましょう。

セオドライトの角度検出方式は2種類

セオドライトは、角度をセンサーで検知し測量結果を示します。
センサーの見地方法には、インクリメンタル方式とアブソリュート方式の2つの種類があります。

1.インクリメンタル方式

インクリメンタル方式は相対角度検知タイプとも呼ばれます。
ある位置から次の位置までの移動量を計測する電子センサータイプです。

「道なりを5km直進。そのあと、右方向に曲がり30mほどで目的地です。」といった表示がされます。

インクリメンタル方式のセンサーは、回転し、明滅する光の数をカウントして角度の変化量を求める形です。

2.アブソリュート方式

アブソリュート方式は、絶対角度検知タイプとも呼ばれます。
分度盤に記載されたパターンを読み取り、現在の角度を求める方法です。
パターンの読み取りは電子的に行われます。

「〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地に目的の建造物がある」と細かく正確に詳細を伝えるイメージです。

マイコンからの指示に対し現在の絶対角度を出力します。

まとめ

セオドライトは水平角や高度角を正確に測定するための測定機器です。
セオドライトの種類や役割、使用時の注意点を把握し、機能を十分に活用していきましょう。

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