本記事を読んでいる方の中には、地墨の作業手順をどのように進めていけばよいのかとわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、地墨の作業手順や必要な道具、作業する際に理解しておくべき用語について解説します。
本記事を参考にしてさまざまな作業方法を理解しましょう。
地墨とは、工事に必要な設計図の線を実際の現場に反映させる仕事です。
この作業をすることで、床の高さや照明などの位置調節が実現できます。
また、適切な位置設定を実施するためにも必要です。
作業を実施する際は、地盤の上に捨てコンクリートを打って壁や柱などの位置関係を示しましょう。そのうえで、垂直に立つ仕切り壁などを配置していく必要があります。
地墨を実施するうえで理解しておくべき専門用語として、以下の5つが挙げられます。
専門用語 | 説明 |
芯墨 | 柱や壁の中心などを表した専門用語
組み立ての精度を高めるために重要視される墨 |
逃げ墨 | 本来打つ場所から50cm、1mと一定の距離を離して墨を打つ行為 |
親墨 | 設計図を基に最初に打ち出す行為
現場では壁の出っ張りや引っ込みを防止するために建物をまっすぐに立てるために使用する |
子墨 | 親墨を打ったあとに子墨を打つ型枠用
親墨を基にして柱や壁の位置の大きさを表す墨をコンクリートへ打つ |
陸墨 | 主に床の高さを表す用語
陸墨が各階の水平の基準となっていて、床の基準となる |
上記の用語を理解したうえで、円滑に作業を進めましょう。
地墨をする際に必要な道具として、以下の8つを解説します。
必要な道具 | 説明 |
墨つぼ | 糸に墨を染み込ませて使用する道具。つぼの部分に墨を含んだ線が入っている |
レーザー墨出し器 | 水平・垂直ラインを確認できる電動工具
基準の位置やラインなどに合わせて墨付けを実施する |
測量器 | セオライトとトータルステーションの2種類がある
セオライトは角度を測定する トータルステーションは角度と速度を測定する |
糸巻き | 糸を巻くための道具
ハンドルで回して手動で巻き取るタイプと自動で巻き取るタイプの2種類 |
墨差し | 水平や垂直の基準線を描くための道具
墨汁を使用し短い直線を引く際に用いられる場合が多い |
チョークライン | 現場に寸法や水平レベルを明示するために用いられる道具
木材やコンクリート、鉄板などの高さや直線を引きたいときに使用する |
レベル | 地面の高低差や水準測量を実施する際に用いられる道具
オートレベルとレーザーレベルの2種類ある オートレベルは平らに設置して視準線を自動的に補正してくれる機能がある レーザーレベルは本体からレーザーを出して測量でき、受光器があれば1名で測量も可能 |
下げ振り | 糸に重りをぶら下げて垂直を確認するための道具
水準器よりも正確に測ることが可能 |
上記の道具を用意したうえで、地墨を実施しましょう。
地墨工事を実施する際に建設許可は必要ありません。
理由は、建設業による工事と認められていないからです。
ただし、規模の大きい建設現場の場合は建設許可を取得しなければいけないのであらかじめ把握しておきましょう。
地墨の作業手順を紹介します。
作業手順を把握することで、具体的にどのような手順で設計図の線を建設現場に反映できるのかが確認できます。
ここで解説した手順を参考にしたうえで、作業を実施しましょう。
地墨を作業する場合は、設計図面のポイントに印が必要です。
設計図面のポイントに印をつければ、柱や壁の基準線が把握できたり、水平線が理解できたりします。
作業がしやすいように設計図面に印をつけて業務効率化を図りましょう。
建設現場に記載している印を参考に、基準線をつけましょう。
芯墨・逃げ墨・親墨・子墨・陸墨などの5つの線を活用して、目安となる基準線を引きましょう。
目安となる基準線付けが完了したら、基本墨を上階へ移動させましょう。
基本墨を上階へ移動させる手順は、以下の4つです。
1.逃げ墨の交わる点から上階の床まで約15cmの穴を作る
2.上階から交点まで下げて振り器を下げて位置に間違いがないかを確認する
3.墨を上階の床下まで移動させる
4.交点を4墨ほど出したら基準線を描く
以上の手順を参考にしたうえで、地墨の基準線付けを実施しましょう。
基本墨を上階へ移動させたら、陸墨も同様に上階へ移動させましょう。
2階以上に移動させたい場合は、1階から柱や鉄骨などを利用して基準の高さを理解できるよう工夫が必要です。
陸墨を上階へ移動させ 終えたら、小墨出しを実施しましょう。
柱や壁の位置からコンクリート床面に墨出しを行います。
コンクリートの床面への墨出しが完了したら、地墨作業は終了です。
地墨とは、工事に必要な線形や寸法などを表示するために捨てコンクリートや基礎に記される印です。
この作業をする際は、墨つぼやレーザー墨出し器、計量器などさまざまな道具を用意しなければいけません。
建設現場で地墨を実施したい場合は、本記事で解説した作業手順に沿って行いましょう。