測量する場所は住宅などの土地だけに限らず、路線や河川など幅広い場所が対象となり、測量データには正確性と緻密性が求められます。
測量結果は電子納品が必要な場合があるため、図面はCADを用いて作成します。
今回は測量で使用されるCADにはどのような種類があるかの解説です。
また測量で使われる機材について紹介しますので最後までご覧ください。
測量は測量法に基づき、ものの高さや深さ、長さや広さなどの距離を測り知るものです。
面積・位置・距離を計測し、製図してまとめます。
CADは、測量して得られたデータを製図化するときに使用します。
測量ではさまざまな機器を調達しなければなりません。
CADは測量したデータを製図にするために必須の機材です。
測量は、測量士と土地家屋調査士など有資格者が計測します。
測量で使用する機材の一例を挙げると次のとおりです。
機材名 | 使用方法 |
トータルステーション |
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デジタルレベル |
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データコレクタ |
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GNSS・GPS測量機 |
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CAD |
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測量する場所や目的により使用する機材や測量方法は異なります。
測量方法や測量手順について解説します。
測量方法は測量する場所によって異なります。
例えば河川や道路では基準点を測定してから地形測量を行うといった方法です。
測量は複数の方法があるため一部の方法を紹介します。
方法 | 内容 |
多角測量 | 位置が判明している既知点から、位置を求めたい求点までの距離と角度を測定し求点の位置を求める方式 |
地形測量 | 自然の対象物や建物などの位置や形状を測定 |
応用測量 | 道路や河川、公園の計画および用地取得のために用いられる |
水準測量 | 標高を示す水準点に基づき、水準点同士の高低差を測定 |
続いて測量の手順を解説します。
測量はトータルステーションなどの機械を使い、土地の距離や角度と高低差などを計測します。
計測したデータは収集し、CADを使用して地図を作成します。
公共工事や隣接地との境界線を決定するための境界測量の場合、行政機関への届出が必要です。
CADはComputer Aided Designの略語です。
日本語に訳すとコンピューター設計支援です。
これまで手作業だった設計および製図をパソコンで行えるようになりました。
測量においても調査で得られた数値やデータから図面を作成し設計するために活用します。
CADには特定分野に特化した「専用CAD」と、さまざまな用途に活用できる「汎用CAD」があります。
CADソフトを販売しているメーカーを紹介しますのでCADを導入する際の参考にしてください。
TREND-ONEは、福井コンピューター株式会社が販売している測量に特化したCADシステムです。
基準点・水準・用地・路線縦横断測量だけでなく、3次元計測や登記図面作成にも対応しています。
オプションプログラム「土地実地調査書」「河川定期縦横断」「河川定期縦横断点群連携」が追加になりました。
AUTO-CADは、オートデスク社が販売している汎用性CADソフトです。
2D・3Dと両方の図面を作成できます。
建築・機械・土木などの幅広い業種で利用されています。
設計や作図ができるソフトウェアです。
CADソフトの中でも利用率の高いシステムといえるでしょう。
ScanSurvey8は、株式会社ビィーシステムが提供しているCADシステムです。
測量・土木・農業支援用のCADで、一部の機能は無償で提供されています。
二次元または三次元のデジタルデータの短時間での作成が可能です。
公図や地形図、現況平面図や森林基本図の管理も行えるシステムです。
農地や地籍、河川台帳、道路の管理業務をサポートするツールを多数提供しています。
測量の実施において、測量した内容やデータは測量法に基づく手続きが必要です。
公共測量と用地測量において手続き方法は異なります。
・公共測量:測量成果を提出
・用地測量:実測図・平面図データを提出
測量の内容および結果は、国土交通省の国土地理院に測量結果の提出が必要です。
河川や森林など公共の場所を測量する際は測量成果の提出を求められます。
測量法に基づき国土地理院に対して次の手続きが必要です。
1.測量作業規程の承認申請
2.測量成果及び測量記録の閲覧・交付
3.公共測量実施計画書の提出と技術的助言
4.測量標・測量成果の使用承認申請
5.公共測量実施・終了の公示
6.測量成果等の検定・提出
7.測量成果の保管・複製又は使用承認の申請受理に関する事務の委託
8.基本測量及び公共測量以外の測量の届出
9.国土交通大臣が指定する公共測量
10.公共基準点及び公共測量成果の移管について
測量法に基づく手続きは多岐にわたります。
参照:『国土地理院 公共測量を実施するために必要な手続の解説』
道路として使用する土地の面積を求める用地測量では、各種データの提出を求められます。
用地測量業務で基準点測量を実施する場合、基準点測量と用地測量で別々に実施計画書を国土地理院に提出しなければなりません。
続いて実施の公示や測量成果の提出等も基準点測量と用地測量は別々に手続きが必要です。
測量成果は製品仕様書・用地実測図データファイル、用地平面図データファイル、精度管理表、品櫃評価表、メタデータなどを提出しなければなりません。
測量でCADを使用する目的を解説しました。
CADの登場まで、測量士が手作業で行っていた図面作成もコンピューターで行えるようになり迅速に作業できます。
CADソフトは無料で利用できるものや高額のものまで複数あります。
これから測量の仕事に就きたいと検討されている方は、CADシステムを選ぶときの参考にしてください。