墨出しとは何?建築作業における墨出しの重要性とやり方について解説

「建築の墨出しって何?」
この言葉に聞きなれない方も多いでしょう。
建築作業の墨出しについて、内容と役割および重要性について解説します。

工程や道具、そしてレーザー墨出し器の選び方についても解説するので、ぜひご覧ください。
墨出しについて理解を通して建築の知識を深め、実際の作業に役立てましょう。

 

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墨出しとは何?建築作業における墨出しの重要性とやり方について解説

【建築】墨出し作業の基準

墨出しとは何でしょう。
設計図の線(基準線)を実際の現場に反映させる仕事で、建築をするうえでとても重要な仕事になります。

設計図の線により、床の高さから扉や台所、照明、空調の位置調整が行われるのです。
建築物の床や壁、天井などに必要な基準になる線を書き出します。
基準線の基点や寸法を誤ったりずれが生じてしまったりすると、取り返しのつかない建築上の失敗を招きかねません。

設計図の正確な現場への反映のために、執拗な事前確認や慎重な姿勢が求められます。
それだけ責任が重い仕事と言えるでしょう。

墨出しを表す用語は5つ

一口に言えば基準線の書き出しで、墨で線をつける作業から来ている言葉です。
ここでは作業で使用する用語5つを紹介し、解説します。
用語を知って理解すれば、実際の作業への理解も深まるでしょう。

1.芯墨(しんずみ)

柱や梁、壁の中心を表し、実際の現場では「心墨」や「真墨」とも表現されます。
構造材は芯墨を中心にして、一致させるようにして組み立てていくので、組み立ての精度を高めるのに重要視される墨です。

例えば、材木は、真っすぐのように見えて真っすぐではありません。
正確に組み立てるには加工が必要になるため実施します。

2.逃げ墨

本来打つ場所から一定の距離をとって打ち、「返り墨」や「寄り墨」とも表現されます。
50cm、1mといった距離を定め、距離を離して墨を打ちます。

3.陸墨(ろくずみ)

主に床の高さを表し、「水墨(みずずみ)」とも表現されます。
水墨が各階の水平のもととなり、床の基準となります。
電気設備をはじめ、高さの調節が必要な場合の目印となるよう使用する「メーター墨」が一般的です。

4.親墨(おやずみ)

設計図をもとに最初に打ち出す基本で、芯墨や陸墨が親墨として扱われるのが一般的です。
床面に水平に表示するのは「地墨(じずみ)」、柱や壁に垂直に表示するのは「立て墨」と表現されます。

現場では、建物を真っすぐに建てるために使用します。
壁が出っ張ったり引っ込んだりするのを防止するためです。

5.子墨(こずみ)

親墨を打ったあとに打つ型枠用で、「小墨」とも表現されます。
親墨をもとにして、柱や壁の位置や大きさを表す墨をコンクリートの床面に打ちます。

 

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【建築】墨出しに必要な道具はこれ!

必要な道具は次のとおりです。

● ほうき
● カッター、スケーラー
● 墨つぼ
● 墨差し
● レーザー墨出し器
● 図面
● チョークライン
● 測量機
● レベル
● 糸巻き
● 下げ振り
● 水平器
● 差し金
● スケール(メジャー)
● ヘッドライト
● 建築用筆記具

最初に行うのが工事現場の清掃です。
ほうきでは取り除けない床などに付着したゴミは、カッターやスケーラーを使って取り除きます。

墨つぼは、中に墨を含んだ綿が入っていて、その墨を吸収した糸がはじかれて線を描ける墨出し道具です。
墨差しは、一方の先端がヘラ状でもう一方の先端がペン状の形をしており、短い線を引くのに役立ちます。

墨つぼを使用した墨打ちは昔ながら墨打ち手法ですが、今では、レーザー墨出し器が墨打ちの主流となっているようです。
レーザー墨出し器は、レーザー光の照射でラインを確認できる利便性の高い機械です。

作業工程は5つ

墨出しの作業は大きく5つに分けられます。
正確さが求められる作業だけに、手順に従い、段階を経ながら着実に進めていきましょう。
その5つの作業工程を、順に解説していきます。

1.設計図の基点を建築現場に印す

墨出しするうえでポイントになる設計図の基点を、建築現場に落とします。
これは、そのあとに基点同士を結んで基準線を完成させるための、最初に行う重要な作業です。
設計図面と建築現場をよく照らし合わせて確認し、ミスのないように行いましょう。

2.基本墨の実施

建築現場に印した基点をもとに、床や壁、天井などに線を引き、基本となる最初に打ち出す墨です。
墨出しする基準線は、主に芯墨と陸墨に分けられます。

3.芯墨を上階の床へ移す

基本墨の芯墨は、当該フロアから上のフロアでも、基準線として必要です。
上のフロアへも同様に行います。
下げ振り器の重りを、上のフロアから下のフロアへ、逃げ墨の交点に向けて下げ下ろします。

上のフロアで、同一基準の交点を定めるためです。
四隅の交点を出せば基準線が描けます。
重りを下げ下ろす上のフロア床には、15cm四辺の孔を開けておきましょう。

4.陸墨を上階の床へ移す

基本墨の陸墨は、当該フロアから上のフロアでも、基準線として必要です。
上のフロアへも同様に行います。
当該フロア1階の陸墨を基準の高さとして、上の各フロアでも陸墨を出します。

1階の陸墨から鉄骨や柱を使って上にスケールを伸ばし、基準点を定めましょう。
基準点が出たら点同士を結んで墨出しします。

5.型枠建込用墨の実施

柱や壁の位置や大きさを、コンクリート床面に墨出しし、型枠を建て込むために、親墨の基準線をもとに出す墨です。
こちらでも、建込による墨が見えなくなるのを防ぐため、逃げ墨が使用されます。

進化するレーザー墨出し器の選び方

レーザー墨出し器は年々進化しています。

垂直の縦ライン1方向と水平の横ラインからなるのが基本的なタイプです。高性能のタイプではラインの数が増え、縦4方向・横360度・天井直角照射のものもあります。
受光器を合わせた使用で、墨出し器本体が自動回転してラインの方向を定め合わせてくれる、自動追尾機能がつくタイプも出ています。

レーザーラインの色は、赤と緑があり、最近ではブルーグリーンとバラエティ豊かです。
視認性の高さから、高価でも緑色やブルーグリーンが人気です。
制動方式からも2種類に分けられ、ジンバル式より高価なセンサー式の方が揺れや振動の影響を受けず、ラインの安定性があります。

これらを踏まえ、現場の使用に応じた使い勝手のいいレーザー墨出し器を選ぶとよいでしょう。

まとめ

本記事では、建築作業の墨出しについて、内容と役割および重要性について解説しました。
工程や道具、そしてレーザー墨出し器の選び方ついても解説し理解が深まったのではないでしょうか。

建物を真っすぐ建てたり、設備の高さを調整したり、現場での墨出しは、基準を明確にするために重要な役割を果たします。
道具も進化しているため、実際の現場で使用しやすく自分が使いやすいものを選択するのがよいでしょう。

現場で実務に携わる場合には、この記事をぜひ参考にしてください。

 

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