レベル測量とは、レベルと呼ばれる器具を用いて行う測量です。
建築現場や土木工事において重要な意味を持つ仕事であり、正確に行う必要があります。
とはいえ、正しい方法がわからず困っている方もいるのではないでしょうか。
使い方のコツや流れを押さえれば、レベル測量は難解な仕事ではありません。
本記事では、レベルの種類や測量の方法、注意点などについて解説します。
「仕事は現場で覚えるもの」が、シックスソルバーズの考えです。未経験の方も、個人の方の応募も大歓迎です。
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レベル測量とは、レベルと呼ばれる器具を用いて2点間の高低差やある地点における地盤高を測定するために行う測量です。
建物やビルなどのてっぺんの高さも計測できます。
一般的には、レベルとともに標尺(スタッフ)と呼ばれる長く大きなものさしを使い、2人一組で行います。
レベル測量を実施する主な目的は、以下の2点です。
● 適切な建築計画を立てるため、各地点(測点)の高低差を測り地盤の起伏や道路の勾配を正しく把握する
● 建物の基礎部分を作る際、水平になっているか確認する
建築や土木の現場では、欠かせない重要な仕事といえるでしょう。
ミスは許されないので、慎重な計測が求められます。
レベルと呼ばれる測量用の器具には、主に4つの種類があります。
1. オートレベル
2. デジタルレベル・電子レベル
3. ティルティングレベル
4. レーザーレベル
ここでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
オートレベルは、現在ほとんどの現場で使われている代表的な器具です。
最大の特徴は自動補正機能が備えられている点で、本体が少々傾いても補正範囲内であればオートで水平を保ちます。
昔の器具であれば、水平を保つためにこまめな調整が必要でした。
オートレベルは細かく調整する必要がないため、スピーディに測量できます。
その手軽さが、ほとんどの現場で採用されている理由でしょう。
レベル測量では、測量者が標尺の目盛りを読み取る必要があります。
デジタルレベルは、機械が数値を読み取る点が大きな特徴です。
機械が読み取るため誰が操作しても数値ミスが起きにくく、電子野帳(野帳はレベル測量の結果をメモするノート)にデータを保存できるようなメリットがあります。
ただし、現場に電源を用意する必要があり、特殊な標尺でなければ使えません。
ティルティングレベルは、内蔵された棒状気泡管を用いて手動で視準線を水平に合わせて使う器具です。
オート補正機能がないため、一定の技量を要求されます。
かつては多くの現場で使われていましたが、オートレベルが普及して以降はほとんど使用されていません。
現場によってはチルチングレベルと呼んでいるケースもあります。
レーザーレベルは名前に「レベル」とついていますが、どちらかといえば高低差より水平ラインを出すために用いられる器具です。
一般的なレベルと比べると、精度はあまり高くありません。
レーザーを照射し、あたっているところに受光器を持っていって反応させ、高さを計測する仕組みです。
各メーカーから、ローテ―ティングレーザーや回転レーザーなどさまざまな名称で販売されています。
レベル測量は、おおまかに5つのステップに分かれます。
1. オートレベルを設置する場所を決定する
2. 三脚を固定する
3. 本体を設置し調整する
4. 望遠鏡を覗いてピントを合わせる
5. 各測点で測量を繰り返す
コツを押さえれば、難しい操作はありません。
ここでは、それぞれの手順について解説します。
まずは、レベルの設置ポイントと複数の測点を決めます。
レベルを設置する際は、なるべくすべての測点が見える場所を選びましょう。
敷地内にある障害物で見えない位置に測点がくると、セットしたレベルを移動しなければならず、手間がかかります。
できるだけ敷地の真ん中で、移動回数が少なくて済むポイントを探しましょう。
勾配がきついところも避けたほうが無難です。
決定したポイントに、三脚を設置しましょう。
三脚の脚を適当な長さに伸ばし、地面に立てます。
測量中にグラグラと動かないよう、体重をかけて踏み込み三脚の脚をしっかりと地面に突き刺しましょう。
三脚の脚は、高すぎず低すぎない程よい高さに延ばします。
三脚がしっかりと固定できたら、そのうえにオートレベル本体をセットします。
本体下部の整準ネジを回し、気泡管を覗いて真ん中に気泡がくるように調整しましょう。
本体が水平になったら望遠鏡を覗きましょう。
中に黒い十字線が見えるので、合焦ネジを回してピントを合わせます。
別の測量者に標尺を持った状態で測点に立ってもらい、目盛りを読み取ります。
オートレベルを回して別の測点に合わせ、計測を繰り返しましょう。
レベルは精密機器のため、乱雑に取り扱ってはいけません。
ここでは、特に注意すべき3つのポイントについて解説します。
1. 濡れたまま収納しない
2. 移動中に天秤担ぎをしない
3. 定期的にメンテナンスをする
順番に見ていきましょう。
測量中に、レベルが濡れる場合があります。
本体が濡れたときは十分に乾かしてからケースに納めるようにしましょう。
濡れた状態で納めると、水蒸気が器具内に入り込んでレンズ内部に水滴がつく恐れがあります。
そうなると、メンテナンスが必要で費用もかかってしまいます。
レベルを三脚につけた状態で運ぶ場合は、移動によって衝撃を与えないよう注意します。
必ず三脚部分を持ち、垂直になった状態で丁寧に運ぶようにしましょう。
横向きで肩に担ぐいわゆる「天秤担ぎ」をしてはいけません。
なぜなら、本体に想定外の負荷がかかり、機械が狂う可能性があるためです。
オートレベルは精密機器のため、こまめな点検・メンテナンスが必要です。
メーカーで受け付けているので、定期的にメンテナンスをしてもらうようにしましょう。
少なくとも1年に1回のペースで受けてくださいね。
レベル測量は土地の高低差を出したり水平出ししたりするために行う測量で、建築現場や土木工事では欠かせない仕事です。
ほとんどの現場で、レベル測量にはオートレベルが使われています。
オートで水平がとれるため、手軽に操作できます。
慣れれば正しく測量できるようになるでしょう。
ただし、精密機器のため取り扱いには注意が必要です。
測量の流れや操作の手順を覚え、レベル測量ができるようになりましょう。
シックスソルバーズの現場は、東京都内と横浜市内がメインで、オフィスビルの現場が多いです。
やる気のあるスタッフのキャリアアップの応援にも取り組んでおり、スタッフや関係者が気持ちよく過ごせるような職場を目指しています。
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