測量士とは、道路や家を建てる前に土地を計測する仕事です。
三脚とカメラのような機械を道路に設置し、働いている様子を見た方もいるかもしれません。
上記のような仕事を、測量と呼びます。
測量は、工事の前に行う重要度の高い役割です。
作業は大変ですが需要が高いため、測量士を目指す方もいるでしょう。
そこでこの記事では、測量士の仕事内容やなり方について詳しく解説します。
測量士に興味のある方は、ぜひご覧ください。
測量士とは道路や家、会社などを建設する前に土地を計測する仕事です。
「トータルステーション」と呼ばれる機械を使い、土地の面積、角度、距離などの測量を行います。
測量が終了したあとの建設や工事が安全に進むよう、測量計画を立てる必要があります。
測量したデータから、地形図を作成するのも測量士の仕事です。
測量が終わらないとそのあとの工事計画が立てられないため、重要な役割を担っているといえます。
測量士の具体的な仕事内容は、外業と内業の2つがあります。
● 外業:現場で「トータルステーション」を使い、土地の面積、角度、距離などを測量する
● 内業:測量計画、測量データ分析、図面の作成などのデスクワークを行う
外業は現場での仕事、内業は室内での仕事です。
どちらも工事前の大切な仕事であり、責任感が求められるでしょう。
測量士の仕事は、勤務する事務所が公共系と民間系にわかれています。
それぞれの仕事内容は以下のとおりです。
● 公共系:公共系は道路やトンネル、公共の建物などを測量する
● 民間系:住宅地などで家と家の境目の測量や、道路との境界明示などにともなう測量を行う
測量士の事務所を選ぶ際は、どのような場所で仕事をしたいか考えるとよいでしょう。
測量士の平均年収は476万円です。
とはいえ、地域差や実務経験の年数によって違いがあるので、あくまで参考程度に留めておいてください。
経験年数による年収の違いは下記のとおりです。
1〜4年 | 200万~300万円 |
5〜10年(チームリーダー、主任) | 500万円 |
10年以上(主任以上の役職) | 700万~800万円 |
経験が増えると年収も上がるので、やりがいがあるといえます。
測量士にはメリット・デメリットが存在します。
働き始めてから後悔しないためにも、測量士の特徴について理解しておきましょう。
● メリット|需要が高い
● デメリット|仕事が大変
順番に解説します。
測量士になるメリットは、今後も需要がある点です。
測量は独占業務と呼ばれ、測量士、測量士補の有資格者のみ行えます。
事業者ごとに有資格者を1名以上配置しなければいけないため、測量士は大切な存在です。
勤務先には土木・建築会社、地図出版社など多岐に渡りますが、これらの業種が将来なくなるとは考えにくいでしょう。
そのため、今後も需要の高い仕事といえます。
反対に測量士になるデメリットは、仕事が大変である面です。
具体的に測量士が大変だと感じる場面を、下記にまとめました。
● 真夏や真冬の現場で測量を行うときは、暑さ・寒さの中でも正確に行う必要がある
● 森や山の中で測量する場合、移動に時間がかかる
● 車が入れない場所では、重い機材を持ち歩いて運ぶ
● 一日の拘束時間が長い場合がある
● 測量に使用する機械が早いスピードで進化するため、日々勉強が必要
大変な面はありますが、需要が高く社会の役に立つといったやりがいがある仕事です。
ここまで読み、測量士になるのを諦めかけている方もいるでしょう。
そこでこちらでは、測量士に向いている方の特徴を3つ紹介します。
1. 几帳面で正確な仕事ができる
2. コミュニケーション能力がある
3. 体力がある
測量士が作成した図面や地形図をもとに、そのあとの工程が進むため、正確な仕事が求められます。
仕事は仲間と一日中行動を共にする場合もあるため、コミュニケーションやチームワークが大切です。
また重い機材を運んだり、森や山の中を歩いたりする場合もあるため、体力が必要です。
もし今自信がないと感じる項目があっても、日頃から意識をしたり、体力づくりをしたりすれば問題ないでしょう。
測量士になるには、以下3つの方法があります。
1. 試験に合格する
2. 大学や養成学校で学び、実務経験を積む
3. 測量士補を取得したあと、測量士の試験に合格する、または実務経験を積む
測量士として働くには、上記の方法で資格を取得する必要があります。
受験する方が多いであろう、資格試験の概要を以下の表にまとめました。
合格率 | 平均10%程度 |
試験範囲 | ・水準測量
・地形測量 ・地図編集など |
試験費用 | 4,250円 |
試験時間 | 10:00~16:00(12:30~13:30まで休憩) |
合格基準 | 午前の択一式の点数が400/700点以上、かつ午前の点数と午後の点数の合計が910/1,400点以上 |
なお国土地理院のサイトでは、過去5年分の試験問題や解答が掲載されています。
資格を取得したあとの免許登録についても記載されているので、確認しておきましょう。
この記事では測量士の仕事内容を紹介しました。
測量士は「トータルステーション」と呼ばれる機械を使用し、土地を計測する仕事です。
道路や家などの建設前に必要な測量を行う、重要な役割を担っています。
測量士になるには、資格と免許登録が必要です。
資格を取得するための試験は合格率10%と決して簡単ではないので、入念に対策をする必要があるでしょう。
測量士の資格取得には時間を要しますが、なくてはならない仕事でありやりがいを感じられるはずです。
この記事の内容を参考に、一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。