下げ振りとは糸の先端に錘をぶら下げて、柱・壁などが地面に対して垂直かどうかを見るための道具です。
日曜大工ではあまり使う場面がないかもしれませんが、増改築やリフォーム、住宅購入前に傾きのチェックをしたいときに必要です。下げ振り錘とも呼ばれます。
本記事では下げ振りの使い方・種類・選び方のポイントについて解説します。これから下げ振りを使いたい、購入しようと考えている方は必見です。
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下げ振りとは、壁や柱などが地面に対して垂直になっているかどうかを見るための道具です。
建築現場で多く使われているのを見かけた方もいらっしゃるかもしれません。
下げ振りは、錘を吊るして垂直を測るため、垂直だけでなく重力の方向である鉛直も測れます。
垂直を測る機器には「水準器」もありますが、下げ振りは重力を利用した測定方法であるため、より正確に測れるのです。
建築現場などで日常的に使われています。
下げ振りには、さまざまな種類があります。
分類の仕方も複数あり、素人にはなかなかわかりにくいものです。
まずは、よく使われる下げ振りの種類について、測定方法の違いによる分類で解説します。
最もよく使われている下げ振りが「普及型下げ振り」です。
紡錘型の錘と、壁や柱などに固定する役割をする保持器、錘と保持器を結ぶ糸で構成されています。
錘を糸で吊るして、壁や柱などと糸の距離を測って垂直を見るのです。
強い風が吹くと錘の揺れがおさまるまでに時間がかかるのがデメリットとなります。
また、糸の巻き取りを手動で行わなければいけない手動巻き取り式では面倒であるため、自動巻き取り式の下げ振りがよく使われるようになってきました。
ダイヤル式下げ振りとは、1,100cm〜2,400cmくらいの長い金属板に測定器がつけられたものです。
測定器には目盛りがついていますので、目盛を見れば傾きが数値で示されて一目でわかりやすいのが特徴となります。
ただし、金属板が長く大きいため持ち運びや保管が大変なのと、価格も5万円以上するものが多く高価なのがデメリットです。
レーザー式下げ振りは、文字通りレーザーを使った下げ振りで錘がついていません。
風の影響を受けずに屋外でも使いやすいのが特徴です。
また、錘が付いていないので本体が軽く持ち運びしやすいので人気の下げ振りとなっています。
レーザーが真上と真下に出て、上下のポイントと壁との距離を測り、垂直かどうかを見る仕組みです。
レーザー墨出し器の付加機能でレーザー下げ振りとして利用できるものもあります。
それでは、最も広く使われている「普及型(糸式)下げ振り」の使い方について、紹介します。
錘を糸で吊るして垂直・鉛直を見るタイプの下げ振りです。
まず、垂直かどうか調べたい壁や柱などに下げ振り保持器(本体部分)を取り付けます。
取り付け方は取り付ける面が木材ならピンで固定し、金属ならマグネット式を使用して固定します。
錘の先端が地面に届くくらいまで糸を伸ばします。
錘が糸で吊るされた状態のため揺れてしまうので、錘の揺れがおさまるまで待ちます。
錘の揺れが止まったら、壁や柱などから糸までの長さを定規で測ります。
保持器近くの上部と錘近くの下部の2箇所の長さを測り、同じ長さなら垂直です。
次にダイヤル式下げ振りの使い方について、解説します。
ダイヤル式下げ振りは、1メートル以上ある長い金属板に保持器がついており、保持器には目盛りがついているものです。
まず、傾きを測りたい壁や柱などにダイヤル式下げ振りを沿わせます。
保持器内部に錘が入っていますので、それにより目盛りが動く仕組みです。
最初は目盛りの針が揺れてしまっていると思いますので、目盛りの針が止まるまで待ちます。目盛りの針が止まったら、目盛の数値を読みましょう。
最後にレーザー式下げ振りの使い方について、説明します。
レーザー式下げ振りは、レーザーを用いて測るため錘がついていません。
レーザー式下げ振りを壁や柱などに取り付けます。
取り付け方は、普及型下げ振りと同じ要領です。取り付ける場所の素材により、取り付け方が異なります。
測定スイッチを押します。
真上と真下にレーザーの点があらわれますので、その点に合わせて柱や鉄骨を立てれば垂直になる仕組みです。
十字にレーザーを照射する使い方ができるタイプもあります。
下げ振りは、取付方法もさまざまです。
取付方法の違いによる分類もあります。
ここでは、一般的によく使われているピン固定式とマグネット固定式の下げ振りを紹介します。
ピン固定式は、木材に下げ振りを固定する場合に使います。
金属製の柱や壁には使用できないため、購入の際には注意が必要でしょう。
普及型(糸式)下げ振りでは、糸を引き出すと自動的にピンが出てくるタイプのものが多いです。
マグネット固定式の特徴は、鉄製の壁や柱などに磁力で設置できる点です。
アルミには設置できません。
マグネット部分を鉄製の壁や柱に接触させればよいだけです。
下げ振りを選ぶときに考慮すべきポイントについて、紹介します。
どのような場所で使うのかによっては、せっかく購入しても使えない場合があるので注意が必要です。
最も重要なのは、垂直を測定したい場所の素材です。
木材ならピン固定式、鉄製ならマグネット式を選びましょう。
コンクリートの場合は、フックがついているタイプの下げ振りが必要です。
コンクリートなどに釘を刺すなどして、そこにフックをかけて使います。
フック式はアルミサッシにかけて使えるタイプもでているので、アルミに使いたい方は探してみましょう。
普及型下げ振りは糸で錘を吊るす方式のため、風の影響を受けてしまい慣れない方は正確に垂直を測るのが難しいものです。
風の影響が大きい場合は、ダイヤル式やレーザー式下げ振りを使うとよいでしょう。
ただし、ダイヤル式はとても長く、かなり高価であるため、レーザー式の方が数万円程度で購入できるので、お手軽です。
下げ振りは垂直を測る道具です。
さまざまな種類があるので、使い方を理解し、自分に合ったものを選ぶのが重要になります。
下げ振りを使えば自分で垂直をみられますが、測り間違えると工事に支障がでるケースも。
ちゃんと測れるか不安なら専門業者にお任せする方法もあります。
ご自身で下げ振りを購入される場合には、本記事を自分の用途に合った下げ振りを選ぶためにご活用ください。
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