トランシットとは?セオドライト・光波との違いについても解説

「トランシット」と呼ばれる器具をご存じでしょうか。

普段の生活で見かけたり名前を聞いたりする機会はあまりない機会のため、聞きなじみのない方も多いと思います。
しかし、実はトランシットは測量の現場等では必ず使用されるといっても過言ではないほど重要な機械です。

そこで今回の記事ではトランシットとは何なのか、同様の現場で耳にする「セオドライト」や「光波」はどのように異なっているのかについて詳しく解説をしていきます。

ぜひ参考にしてくださいね。

 

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トランシットとは?セオドライト・光波との違いについても解説

トランシットとはどんな時に使う機械?

先述のように聞き慣れない機械であるトランシット。
実は測量の現場でとても重要な役割を果たしているのです。
ここではトランシットとはどんなシチュエーションで用いられる機械なのか、どんな種類がある機械なのかについて解説を行います。

トランシットについて知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

角度を正確に計測するための機械

トランシットは、測量の現場で「角度」を精密に測るのを目的として使用される機械です。

測量を行う現場において、角度は非常に重要な指標のうちの一つです。
測量の現場では、時に数メートルから数キロメートルの長さを扱います。

こうした現場では、角度が少しずれてしまうだけで全体でのずれは非常に大きなものとなります。

このような事態を防ぐためにも、トランシットを適切に使用するのは測量や建築の現場において不可欠であるといえるでしょう。

3種類のトランシット

角度を正確に測るために用いられるトランシットには、以下のように3つの種類があります。

● レーザートランシット
● デジタルトランシット
● 光学トランシット

それぞれ角度を測量する際のアプローチが異なっており、名前についているものが測量に用いられるものになっています。

レーザーセオドライトは、レーザーを用いて角度を計測するものです。
レーザーによって角度を可視化でき、建築現場での墨出しに応用できるのが特徴的です。
レーザーの種類や太さは機器によって異なるため、適切な使い分けが大切でしょう。

デジタルトランシットは、計算によって指定した点間の角度を測量します。
自動で計測・レーザー照射まで行えるものもあるため、非常に効率よく測量を進められます。

光学トランシットは、特殊な測定器具によって光学的に(レンズで)角度を測定できるトランシットです。
測定した角度はわかりやすく数字化されるため、誰が使っても同じ様に測量が可能です。

トランシットのセンサーの種類

ここまで紹介してきたトランシットは、角度をセンサーで検知しています。
そして、このセンサーにも以下のような種類があります。

● アブソリュート方式
● インクリメンタル方式

アブソリュート方式は、指定した点の正確な位置を検知するセンサーです。
基準になる場所を決めて、次の点がどこに位置しているかを正確に出力します。

対してインクリメンタル方式は、指定した点同士の距離を測定するセンサーです。
指定した点から次の点まで、「どのように移動したらたどり着けるか」を出力します。

 

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トランシットと混同しやすいもの

ここまで紹介してきたトランシットですが、トランシットには似たような用途で用いられる単語・機械がいくつか存在します。
これらの区別をきちんと把握しておくと、実際の測量現場でも正確かつスムーズに仕事を進められるようになるため、ぜひ参考にしてください。

セオドライト

セオドライトと似た意味で用いられる言葉に「セオドライト」と呼ばれるものがあります。

実はセオドライトとトランシットは基本的に同じものを指します。
両者とも役割は角度の測定で、異なっている部分は開発された国です。

セオドライトはヨーロッパで開発されたもので、高精度で測量を行うために開発されました。
一方トランシットはアメリカで開発され、主軸は使いやすさにあります。

どちらも同じ用途で用いられるため、近年はどちらもセオドライトと呼ばれつつあります。

光波

光波とトランシットの違いは「何を測るか」にあります。

先述のようにトランシットは角度を測定する機器です。
一方で、光波は「距離」を測定するときに用いられます。

任意の点から指定した点へ光を照射し、そこから反射した光の解析によって直接的な距離の測定が可能です。
先述のように、建築の現場では距離と同様に角度も大切なため、水平距離を測る現場ではトランシットと光波の両者を組み合わせて使う場合が多いです。

トランシットを使う際のポイント

ここまで紹介してきたように、トランシットは角度の測量の現場で非常に役に立つ機器です。
しかし、使用の際のポイントを守らなければ正確な測定ができない場合もあります。

そこでここからは、トランシットを使う際の注意点についてお話していきます。

傾いた場所、でこぼこした場所では使用しない

トランシットを用いる際は、傾いた場所やでこぼこしたところでの使用を避けましょう。

先述のように、トランシットは精密に角度を測定する機器です。
そして、精密な角度の測定には水平な場所で行うのが不可欠となります。

トランシットを置く地面が傾いていたり、でこぼこしたりしていると、トランシットの水平を保つことができず正確な測定を行えません。
そのため、水平な場所で扱うように心がけましょう。

目視できる距離を事前に確認する

トランシットで正確な測量を行うためには、角度の誤差をなくすのが何よりも大切です。
そのため、測定を複数回を行い誤差を小さくする措置が基本的に取られています。

目視出来る距離を事前に確認しておくことで、測定の回数を減らし、より効率良く測定を行えます。

まとめ

今回の記事ではトランシットについて詳しく解説を行いました。
トランシットは精密に角度を測定するための機器で、測量の現場で欠かせないものです。

トランシットの使い方や種類の使い分けについてきちんと理解し、適切な活用を行うようにしましょう。

 

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